鬼神の幅寄せ
練り台のフレームに乗せた練り板ががたつくのでビスでフレームに固定することにした。買物に行く。戻ってきて、駐車場へバックで入れる。後ろに回って荷物を取り出し、左側を見ると・・・
ああ、やっちゃった。でも、音も衝撃もなかったのに。
もう少し横から見る。
どう見てもこすっている。
ところが、である。上から見ると・・・
微かにすき間があったのだ。どの位のすき間かというと・・・
ちょうどマッチ棒が一本ぎりぎりですき間に収まった。
正に鬼神の車庫入れだ。
と、こんな風に書くと何だか自慢話のようで嫌味に聞えるかも知れない。確かにその通りだ、もし、このバックの車庫入れを計算尽くでやったとすれば。
しかし、現実はまぐれなのである。まだ慣れていないので少しばかりの不安を抱きながら、道路と車庫のあいだの意味不明な段差をエイヤっと乗り越えて、ああ、今回も無事入れられた、と思って見たらこの仕儀だったのだ。
鬼神は車庫入れの技術にではなく、運の方へ付いてくれたようである。