2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

闘病という隠喩〜河野知二

たまたま見たTV番組でこの人を知った。群馬県在住というのも親しみを感じた。この人は末期がんで余命一年を宣告されながら、オーストラリアで行われたラリーに夫婦で参加し、1345kmを走り抜いた。死の恐怖は如何ほどだろう。私だったら自棄になり、すべてを…

一陽、初訪問

もう10年くらいになるだろうか。ずっと気にはなっていたが立ち寄る機会がなかった赤城山中腹、国道353号沿いにある「ラーメンハウス一陽」で醤油ラーメンを食べる。そこで感じたのはラーメンは食べ物の味だけで食べるわけではないのだということだ。いや、ラ…

スノーボードクロス

なかなか面白い競技だ。まるでカートレースのようだ。スピードはもちろん、コース取り、ブロッキングなどの戦略がものを言う。しかもコースはかなりトリッキーだから転倒やコースアウトがしょっちゅうだ。いま準々決勝女子のレースで大幅に遅れて4位(つまり…

オリンピックの悲哀

メディアばかりが騒ぎ立て、メダルも取れずにいる日本が不甲斐ない。でも、4位だっていいじゃないか、と考えるのがいいのか、ポディウムに上がることに意味がある、と意地を張ることがいいのか、今ちょっと分らなくなってきた。今言えることはメディの無責任…

風、強し

宝来軒再訪

一度食べて美味しく感じても二度目はがっかりすることがある。理由はいろいろだろう。そもそも二度目というものは陳腐なのだ。逆に期待過剰ということもある。とにかく、二度目の試練をくぐって初めてラーメンはその定座を獲得する。結果は王座だ。うまい、…

青山常に運歩す

頼住光子『シリーズ・哲学のエッセンス〜道元』(NHK出版)を読む。これは哲学の書かも知れないが、『正法眼蔵』の書でも、道元の書でもないと感じた。文化人類学ではとうの昔に乗り越えた「外部からの視線」を相変わらず持ち続けていることに、まず、大きな…

舞台の上の虹、舞台という虹

今日は学科の一年生全員参加のPerformance Festが開催された。英文学科の大きな催し物のひとつだ。舞台に立つことなど初めての学生たちが400年前の劇聖の台詞を必死に暗誦する姿は美しかった。いや、美しい、などと言うことばでは表しきれないものが舞台に充…

虹が出た

今日の昼下がり、突然雨が降り始めた。冬の雨というより夏の雨のような降り方だった。そして、降り始めるのと同じように突然止んだ。止んだとたんに日が射して来た。こういう時は虹が出るな、と思っていると東の空にもう大きな弧が懸かっていた。かたちも不…

文学の悦び

ロラン・バルトの「テクストの快楽」ではないが、文学の中心はテクストの悦びであり、それ以外ではない、と密かに思う。確かに新歴史主義などの新しい方法が掘り起こした鉱石は歴史の鉱脈では燦然と輝いている。否定はしない。でも、文学は歴史の資料なのか…