2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

光陰

光陰 私はつい先ほどここに来た 私はもうずいぶん立ってゐた 私はとうの昔に消え失せたそれが《鏡の私》の物語朝が来ると私はあちらを覗き込み 昼には向う側の眼がこちらを覗き 夕闇には鏡だけがそこにあったそれが《私の鏡》の物語いつのまにか鏡は消えて …

この世に鏡がなかったらひとは世界という外部と自己という内部の単純な二分法で生きていることだろう。鏡に映った自分の姿を自分と認識した時(猫にはそれができないらしい)、ひとは内面から外部への通路を持ち、内面でありつつ外部であるパラドックスを生…

痛み雑感

いや、参った。最近はからだの痛みとの戯れの日々だ。先週は原因不明の右背中痛だった。今週はどうやら左股関節痛が主軸になるらしい。チェーホフ「桜の園」の幕切のフィールスではないが、ええ、この…できそのねえめが、だ。それではスキーはやめない。もし…

鈴木亜久里のF1チーム、承認される

ライブドアどころの話ではないマネーゲームの坩堝F1界に、弱小ながら日本人によるF1チームが誕生した。スーパー・アグリ・フォーミュラワンは、おそらく去年限りで撤退したミナルディのように、勝利とは無縁だけれど、寧ろそれだからこそ、走ることに情熱を…

腰痛防止に椅子を買う

部屋でくつろぐ時はいつも床に坐る。ホットカーペットで床を暖め、ストーブで部屋を暖め、低反発の座布団とビーズクッション、時には低反発の枕も動員して、部屋の隅でくつろぐ。宿に泊まって、エアコンしかない部屋に入れられると身の置所がなくて往生する…

こんな夢を見た

どこか山奥の温泉場で合宿をしている。劇団の仲間が何人かいる。知らない顔も沢山いる。二班に分れて同じ芝居の稽古をしている。相手の班は早起きして屋外で特訓しているが、私の班はみな悠然として周章てる気配がない。宿の前は胸突き八丁の急坂だ。外に出…

卒業論文、修士論文を読む。

口頭試問の日が迫っている。私が主査、あるいは副査で審査する論文の数はさして多くはないので、比較的悠然と読んでいられるのはありがたいのだが、アラが見えて仕方ないのは困ったものだ。分析と言いながら単に表面の意味や筋を繰り返すだけの論文、考察と…

痛みのマント

からだの痛みというものは何と視界を狭くして、気力を奪う闇なのだろう。その上、痛みは本質的に他人には分らない自知の領域に属しているので、喜びや悲しみのように伝染することがない。立っているだけで冷や汗が出る痛みは本人には一大事だが、センター試…

好雪片々不落別所

右肩は相変わらず痛むが、何とか動けるようにはなってきた。車で玉村を出た時は曇り空だったが、前橋に入る前から雪が降り始め、北になればなるほど激しい雪になっていった。雪は辺り一面同じ色で染める。好雪片々、別所に落ちず、という句が好きだ。別所に…

ファゴットの記憶

大学院時代、シェイクスピア劇を始めたころは音楽関係の仲間が沢山いた。特に『夏の夜の夢』を劇団の旗揚げ公演に上演した時は今から考えると贅沢そのものだった。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ブロックフレーテ、オーボエ、ファゴット、…

metatheatre

いくら考えても何故か(頭が悪いせいか?)ふりだしに戻るしかないmetatheatreという概念は苦しくて楽しい。このことばは、多くの哲学的概念と同様、意味内容は形式的な定義語でほとんど処理されうる単純明快な思考の枠組でしかないのだが、それを実人生に当…

お灸をすえる

右肩の痛みを何とかしようと、今朝はお灸をすえてみた。結構いい気持ちだ。もぐさが燃え尽きようとする最後の瞬間が熱い。そして、その熱さが快感だ。効いてくれ!

イタタっ

何時ころからだったか、右の背中に爆弾を抱えている。ひょんなことで爆発する。突然からだが動かなくなる。例えばちょっと振り向くなど、普通なら何ともない動きなのだが、背中の機嫌が悪いと、ピキンと痛みが走って声も出なくなる。何の因果か、今朝も地雷…

佐々木明の快挙

スキー、アルペン競技の国際大会で佐々木明選手が優勝した。 以下は日経の記事から。 - (1/20)五輪代表の佐々木が優勝・アルペンスキー国際大会 アルペンスキーの国際大会は19日、オーストリアのウェステンドルフで男子回転を行い、トリノ冬季五輪代表の佐々…

いつも初心者

大学で教えるようになってから何年になるのだろう。この約三十年間謂ば知的な(?)その日暮らしをしてきた。それは半分は誇らしいことではあるものの、半分は自分にあきれる程ろくでなしな態度でもある。大学で教え始める時に自分自身に誓ったことがある。…

ラーメン、某

知り合いに勧められてはじめて某に行ってみた。場所は近いのでここがうまければラーメン好きの私に好都合だったのだが。結果はハズレだった。麺はやや太めの手打麺。そこそこに腰があってまずまずの味なのだが、生煮えの粉の味が微かに感じられ、ラーメンを…

水曜ドラマ「氷壁」

以前NHKで放映された「氷壁」は倉本聡の台本の力もあってか、見応えのあるものだった。原田芳雄、伊藤雄之助が実にいい味を出していた。このシリーズのDVDはないのだろうか?どなたかご存じの方はお教え下さい。

NHK氷壁

NHKが力を入れていた(かどうかは知らないが)「氷壁」6話シリーズが始まったが、私は1合目で下山した。役者の演戯力は置いておいて、台本があまりにひどい。設定も意味なく原作から逸脱している上、登場人物の台詞がハーケンに固定されていない。K2にした…

small hands part 2

ウェブは蜘蛛の巣、ネットは網。疑似餌を撒いて、獲物を捕らえようとする魑魅魍魎の巣窟でもある。こんな文章に出会った。「大学人は、発表機会というものが一般無名人に比較してはるかに優遇的地位にあるにも関わらず、どうしてこの無名人が大きな顔をして…

small hands

e.e.cummingsの詩に春雨の内へと染み込む力を歌ったものがある。彼はさらに恋人の微笑みは春雨のsmall handsよりもっと内へと入り込むと詠嘆している。こういう詩を読む時、「役に立つ」っていったい何だろうといぶかしく思う。今は「役に立つ」ことが花盛り…

Playing Shakespeare

かつて、RSCがイギリスのチャンネル4で放映したPlaying Shakespeareというシリーズがある。シェイクスピアはどのように演じるべきかを様々な角度から実演を交えて解説した非常に興味深い番組だ。全体の監修、解説をジョン・バートンが行っているが、その中…

風のハルカ

何となく見始めるようになったら毎日の習慣になり、去年の暮れあたりから見えているが、母親役の演戯が鼻についてたまらない。宝塚では花形だったのかもしれないが、場所をわきまえないと、浮いてしまうものだ。逆に言えば、空気の読めない役者は大根役者と…

宝来軒、初訪問

13:43に着くと、10人くらいが並んでいた。だが、廻転は早く、さして待つ間もなく順番になる(14:00)。ラーメンは醤油味と決めているので、注文に時間は掛からない。席に着くとすぐに注文する。店内を見回すと、いろいろな有名人の色紙が所狭しと壁に貼り付…

佐野ラーメン〜宝来軒

里見八犬伝

暇ついでにTBSの里見八犬伝も観た。薬師丸ひろ子の映画「里見八犬伝」(1983)をちらと思い出したりしながら観ていたのだが、音楽と衣裳の質のよさに感服した。ただ、ラストシーンはいただけない。こんなところで反戦思想を出さないでくれ、と言いたい。どのみ…

噺家発見(いや、発掘)

もちろん、私のなかでの出来事にすぎないが……。NHKの深夜放送で落語を何席かまとめて放送していたので録画しておいた。暇が出来たので今日見た。日本の落語界はもうだめか、と嘆かずにはいられなかった。妙に偉そうに間を取る、もったいぶった調子でしゃべる…

たかが顔、されど顔

ニック・フライの顔 顔でひとの能力を判断してはいけないとは思いつつも、やはり、というか、水が高きから低きへと流れるように、我々は(少なくとも私は)顔でひとを判断してしまう。舞台にたずさわる者の業だろうか。顔で見る限り、F1ホンダ・チームの代表…

打ち身の養生

大晦日の事故で傷めた太ももの腫れは大分収ってきた。まだ歩くときに足を引きずるがこんなことでめげていてはいられない。ネットで見ると(医学的に正しいのかどうかは不明だが)打撲傷で極端に腫れていたり熱をもっていないかぎり入浴はよいとあるので、昨…

あけましておめでたうございます。

自分でも未だ信じられないのですが、今年で還暦を迎へます。《還》とは還る、即ち一から出直しといふことです。新しい人生の第一歩を踏み出す年にしたいと念じてをります。 今年もどうぞよろしくお願ひいたします。