small hands part 2

ウェブは蜘蛛の巣、ネットは網。疑似餌を撒いて、獲物を捕らえようとする魑魅魍魎の巣窟でもある。

こんな文章に出会った。

「大学人は、発表機会というものが一般無名人に比較してはるかに優遇的地位にあるにも関わらず、どうしてこの無名人が大きな顔をしていられるブログ世界に、土足でズカズカ入り込んでくるのだろうか」

近年珍しい人種差別だ。(今風に言えば「キャリアハラスメント」か)。ただ、言っている本人はそのことにまったく気付いていない。大学人が有名で、一般人が無名?職業で区分けするとは、なんと奇妙な論理ではないだろうか。ブログにそんな入場制限があるとは初耳だ。それに「土足で云々」など始めから喧嘩腰で読者を不愉快にさせる文体ではないか。

話すことばが自由であるように、どんなことばで書こうと自由かも知れない。いやなら読まなければいいだけの話だ。だが、今ではそうも行かないのだ。ブログにはリンクもTB(トラックバック)もある。個人の枠での発言でもいろいろな関わり合いが生まれる時代だ。

いい文章は読んでいて気持のよいしなやかさを持つ。悪い文章はぎすぎすして理解しようとする気持を殺いでしまう。他山の石としよう。

ちなみに「土足で云々」と言われたある大学人は、実にしなやかに「皆さん趣味でやっておられるわけで、私のような「難解」ブログ(?)は、ごく一部の人しか見ませんし、毒にも薬にもならない無害なものです。」と受け流している。気持がよい。