2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

音階と音色

茶盌のなかには音階と音色が眠っている。音階は整然と並んだり、錯綜したりして諧調を紡ぎだす。だれもがそれをはっきりと掴まえることができる愉快なすがた形の運動だ。やっかいなのは音色だ。ソノリテ、あるいは、声の肌理は形容詞でなぞらえるしかない捉…

なにもしない

今日一日ほっこりぐだぐだとすごす。 空気がゆるんで見えない景色が見えてくる。 井戸の向うになにがある 井戸の向うに森がある かすかにけぶる森がある 井戸の向うに町がある ひとでにぎはふ町がある かと思うと見えるものが見えなくなって玄関のガラス戸に…

試行錯誤

井戸釉がなかなか決まらない。今使っているのでも悪くはないのだが釉調が今ひとつ気に入らない。 ひたすら試験試験の連続だ。 ま、こうやって一年二年とやってゆくうちに何かが見つかるだろう。しかし、井戸と一口に言っても伝来物だけでもかなりの数になる…

大井戸、一歩前進

今回はいい感じで枇杷色が出た。釉調はまだ工夫が必要。釉の濃度、施釉法で千変万化するのであれこれ試してみよう。 この土は畳付きの緋色がきれいに出るところが好きだ。 ちょっとばかりざらつきすぎるきらいがあるが、あまりいじると牛を殺しかねない。し…

鬼の化粧

う〜む、化粧が濃すぎたか。 それに見込や胴にまで梅花皮が及んでしまっている。これを何とかせねば・・・ ちょっとだけ光明が見えたような見えないような。作麼生! ∴風性常住無処不周生 風はいたるところにわき起こるものだただ・・・ いつもおつき合い下さりあ…

化粧してみたものの

化粧土が削りあとを埋めてしまい梅花皮が出ない。もうひと工夫必要だ。大井戸その1 大井戸その2 でもそれはあまり大した問題ではない。 もっと大きな問題が山のように横たわっている。倩女離魂のように …… あれかこれか、では決して解けない問題。 ∴プラト…

写し問題

前回の失敗を承けて、施釉法、焼成を修正。さて、どうなるか。窯焚きは雨の中。しばらく晴天がつづいたが、ひさしぶりの雨。あるひとが古陶の写しは創造力の枯渇、滅びの前兆、とブログで嘆いていた。 ふふふ。まだそんなところでうろうろしているのか。倩女…

方向違いだったか

施釉方法を変えてみたがあえなく撃沈。 焼きもちょっと悪かったかな?枇杷色からはほど遠いものになってしまったし、井戸の風が吹いてこない。 それに薄めの釉にしたため梅花皮も出ずじまい。 むしろ、井戸盃(かまわぬ盃)の方が面白かったかな…… ∴兎角(う…

窯焚きのあいまに

スーパーで買う食べ物にはいろいろな添加物が入っている。 子供のためにせめてパンは自家製にしよう!と決心(私というよりかあちゃんが)。 あれから三十日……(きみまろのノリで)、二日か三日に一度はパンを焼いている。今日は途中で私も参加。うさぎパン…

馬肥ゆる

外干し日和。 ひさしぶりに工房の整理整頓。 ∴ 空気が濃い秋 馬ばかりか私のハラも肥ゆる秋である いつもおつき合い下さりありがとうございます。応援よろしくm(_ _)m 画像をクリックしてランキングサイトが表示されれば投票終了 + にほんブログ村

削り〜余白

書の達人は余白を感じて書く。私はまだまだ文字に気を配るのが精一杯。黒ばかりで、白は見えてこない。 十牛図で言えば牛ばかりが気になる。人牛具忘は先の先。茶盌作りも余白が声を出す。ふたつの余白。茶盌を包みこむ世界すべて。そしてもうひとつが、茶盌…

井戸を干す

昨日一日外干し。今日は出掛ける用事があったので窓際で干す。 戻ってから計ってみると3gほど増えていた。それだけ湿気を吸ったということ。 土は呼吸をしているんだなと実感した。 明日明後日は再び風のくぼみ作り! ∴ 今日はわが家の三人全員にとって人生…

風のくぼみ

大井戸焼成に向けて準備する。前回の窯は井戸の姿が満足のゆくものではなかったので、今回は問題点を修正した。 土は取りあえずこれまでの土を使う。目標は焼き上がった姿の確認だ。井戸は「風のくぼみ」でなければならない。そこへと風が収まり、そこから風…

探しものは何ですか?

探し求めている珈琲豆がある。 以前に飲んだことのある珈琲。あの味と香りが忘れられない。いろいろ試しているのだが、見つからない。嗅覚、味覚をことばであらわすのはほとんど不可能に近い。 その味は酔うような芳醇な香りと味わい……としか言いようがない…

天衣無縫

地元の超ローカル紙に載った4歳児の「の」字にやられた。 こののびやかさはどうだろう!まるで洒脱の域に達した老僧の書のようである。 きれいに書こうとか、整ったかたちにしようとか、の余計なはからいはみじんもない。 それでいて力強い。気韻風爽。 井戸…