試行錯誤
井戸釉がなかなか決まらない。今使っているのでも悪くはないのだが釉調が今ひとつ気に入らない。
ひたすら試験試験の連続だ。
ま、こうやって一年二年とやってゆくうちに何かが見つかるだろう。
しかし、井戸と一口に言っても伝来物だけでもかなりの数になる。
正統派大井戸があれば、伊羅保かと思うようなものもあれば、斗々屋風のもある。
また、同じ正統派大井戸の中にもいろいろなスタイルがある。
ひとつだけ共通しているのはどれもみな大切に扱われてきたということだ。その思いがしかと茶盌に伝わっている。
そういうことが秘儀を生むのだ。