ラーメン、某

知り合いに勧められてはじめて某に行ってみた。場所は近いのでここがうまければラーメン好きの私に好都合だったのだが。結果はハズレだった。

麺はやや太めの手打麺。そこそこに腰があってまずまずの味なのだが、生煮えの粉の味が微かに感じられ、ラーメンを食べる幸せに浸るのをしきりに邪魔する。

スープはとんこつ系醤油味。最近の流行りなのかこってりしたこの種のスープは、何だかセットメニューのようで味気ない。勘どころさえ押さえておけば経験や感性など必要なく、時間と情熱とそこそこのお金があれば誰でも出来る類の味だ。最悪なのは獣の臭いがすることだ。脂身は好きだが、それと脂ぎった味とは別物だ。

食べている間ずっとこの臭いが気になって気持が天に昇れなかった。店を出てからも舌の奥にしぶとく留まってどちらかと言うと不愉快な印象を残す。お金を出して不愉快を買う、というのも理不尽だ。腹は足りたが気持が残る。味は別だが食後の印象は山岡家のラーメンに近い。まあ、あんなにひどくはないけれど。

とんこつ系は脂の切り上げ方、まとめ方が勝負だろう。だらだら脂を垂れ流していたのでは食感が悪すぎる。すっきりまとめながら、奥に脂のうまみが隠されているようなスープに出会いたいものだ。

ただ、横目で見ただけだが餃子がとても美味しそうだった。今度、餃子を食べに出掛けてみよう。餃子報告はその時に。