虹が出た

今日の昼下がり、突然雨が降り始めた。冬の雨というより夏の雨のような降り方だった。そして、降り始めるのと同じように突然止んだ。止んだとたんに日が射して来た。こういう時は虹が出るな、と思っていると東の空にもう大きな弧が懸かっていた。かたちも不完全だったし、色も消え入りそうだったが、れっきとした虹だ。撮れないと分っていながらデジカメを取り出して撮影する。

虹は人家から天に架かっていた。見方を変えると、天から人家に向かって突き刺さっていた。虹は美しい。だが、同時に不気味だ。その不気味さが好きだ。天上の論理(非論理)で地上の存在物を骨抜きにする。中性子爆弾のように、何一つ破壊することなく・・・。その穏やかさにはどこかへの通路が隠されているようにも思える。