舞台の上の虹、舞台という虹

今日は学科の一年生全員参加のPerformance Festが開催された。英文学科の大きな催し物のひとつだ。舞台に立つことなど初めての学生たちが400年前の劇聖の台詞を必死に暗誦する姿は美しかった。いや、美しい、などと言うことばでは表しきれないものが舞台に充溢していた。彼女たちは何かを耐えているようでもあった。つたないながら全身全霊を傾けた演戯を『夏の夜の夢』のシーシアスが'tongue-tied simplicity / In least speak most to my capacity.'と褒めたたえたように、彼女たちの拍動が空気を通して伝わり、シェイクスピアの台詞が表す意味よりも、緊張感の中で与えられた役を演じ抜こうとする姿そのものに感動を覚えた。そのひたむきな姿勢が最近絶えて経験していない爽やかな高揚感を味わわせてくれた。謝謝。