三客万来
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折板屋根にぱらぱら音の響く
冬の雨降りだ
∴ん窯やきもの山房を作ったとき、いろいろなひとがぶらりとやって来てお茶を飲んであれこれ気ままに話のできる場所にしたい、と思っていた。カフェでもやっていればひとは来るだろうが、ただのやきものの工房ではなかなかそういうわけにはいかない。
今日はちょっとだけそんな気分にひたれた。先日も「看板を見た」と近所のかたが連れだって立ち寄っていってくれた。
ここ、∴ん窯やきもの山房は工房であって、販売店ではない。器を買いに来るのでなくてもいいのだ。やきものを見て、やきもの談義をする、いや、やきものの話でなくたってよい。お茶を飲みながらとりとめない話ができればそれでいい。やきものがひとを寄せてくれれば最高にしあわせである。
ちょっとづつ、そう1000分の1ミリグラムほど、そんな場所になりはじめたかなと思った。