すばしこい闖入者
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めったに人の来ない山房に
めずらしく訪問者あり
しかも仕事を持ってきてくれた
気の早いサンタクロース
多謝
いつも静まり返っている山房だが（赤ん坊の泣き声は別として）、寒くなってから毎日のように訪れる客がある。
それは
カマドウマ
別名、便所コオロギ
わが家での愛称、ウマコ
こいつは実にすばしこい。それに、猛烈な跳躍力の持ち主だ。時に跳びすぎて着地の際すべってしまうほどだ。この愛嬌のある昆虫は晩秋から春になるまで毎日どこからともなく山房に侵入する。暖房の効いた室内と湿度のある風呂場が好きだ。
特に害をもたらすことはないので放っておいてもよいのだが、寝ているときに顔の上を歩かれることがあるのでそれはあまりうれしくない。それに今は2か月半の赤ん坊がいるので少しだけウマコに非寛容になっている。
そこで、見つけるとすぐに捕まえる。捕獲に失敗すると縦横矛盾に逃げ回りどこかへ飛び去る。だからウマコは一発でしとめなくてはならない。それが私の任務であり、また、ささやかな楽しみでもある。一日におおよそ十匹は捕まえるので大分慣れてきた。コツはウマコが警戒する前に捕まえること、これに尽きる。
