楷書から行書へ

最近つくづく感じるのは自分の器の線の味が乏しいことだ
線の妙味は特にぐい呑であらわになる
ぐい呑は作り手のすべてがさらけ出される舞台だ
焼成釉薬に没頭するあまり線(面とも言えるか)について疎かになっているように思う

線といえば書道も同じだ
私の技量では楷書の線はある程度吟味できるが、行草の線はまったく理解不能な領域だ
今は初心に還って王羲之の行書を勉強中だ

右軍の書を拾い集めて作られた「般若心経」がたまたま入手できたので毎日少しづつ臨書している
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狂草の張旭、懐素も魅力的だが、行草で一番わくわくするのは黄庭堅だ
いつか挑戦してみたい

その線がやきものにも出てくることを祈りつつ

嗚呼、鉄釉全滅!更に悲劇が・・・

鉄釉はむずかしい

安定度の高かったBプランで焼いたら

全滅!!!

どうして?
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その上、泣きっ面に蜂
記録写真を撮っている最中にカメラを落として液晶全滅

嗚呼、ついてない!

鉄の七変化

また、いつものやり方で炭化
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写真には写り込まないのだが、黒はもちろんのこと、金色、銀色、その他いろいろな色が見え隠れしている



こちらは伊賀土に灰釉を掛けて焼いた茶碗に鉄釉を掛けて焼き直したもの
更に激しい变化(へんげ)を見せてくれた
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つくづく思うのだが、黒の七変化は写真に撮せない
なぜだろう?

この一枚のために

窯出し
嗚呼、またしてもやってしまった~
全滅だ
そう思った
窯場は午後になるとちょっと薄暗い

しかし

工房に移動し、太陽光のもとで見ると
なんと
とんでもないのが出てきた!

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窯場で撮ったのがこれ
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同じ皿とは思えない

ほぼ全滅だったが、この一枚のためにすべてをなげうったのだ・・・と思うことにしよう