もうひとつの最後の舞台


20数年間、大学でシェイクスピアを朗読、上演して(させて)来たが、来週木曜が最後の舞台となる。授業時間だけでは間に合わないので今日と明日は12時間づつ、計24時間の長丁場の稽古だ。芝居はいつだってこういう長丁場を耐えて初めて芝居になってゆくのだ。今回もSの発音が苦手な者、fがうまく出せない者、英語の抑揚が掴めない者、などなど多種多様な問題を抱えているが、それでも『ハムレット』抜粋を通してゆくうちにそれなりのシェイクスピア劇になって行くから面白い。
もったいないと思うのは、この授業を履修しているのがたった7人しかないということだ。やはり舞台への道はかぎりなく遠い。
約30分の発表会用『ハムレット』は今日の一日稽古でなんとか通せる段階になった。明日、仕上げだ。午後は本番が行われる大集会室で照明を入れて本番さながらの通し稽古となる。聴いていて思うのは、どんなに稚拙でもシェイクスピアはやはりシェイクスピアだということだ。幕切れ、Hamletが息を引き取る際の台詞は、こころを掴む握力を持っている。Hats off to Will!