今日の発見

朝、散歩をした。いつものコースから大幅に逸脱して1時間以上歩いた。玉村には到るところにいろいろな家の先祖の墓がある。もっとも目立つのは(たぶん)スーパーとりせんの駐車場内にある墓地だろう。私はこういう光景が大好きだ。住んでいる家の近くに先祖代々の墓があるというのは羨ましい。これなら毎日お参りが出来る。そんな墓地のひとつなのだが、中央に大きな楠が生えていて、その回りに一家の墓が建てられている。そのうちのひとつの墓石は大きくなった楠の根が押し上げてピサの斜塔のように傾いている。絵になる光景だ。今日の発見はそこで起った。

お地蔵様が祀られているのでいつものように「オンカカーカ……」と真言を読み始めて気付いたのだが、このお地蔵様は普通のお地蔵様ではなかった。手に持つ錫杖に十字架が刻まれているのだ。玉村にも隠れキリシタンがいたのだ。唐津の茶碗にはしばしば巧妙に細工された十字架(例えば丸の中に十を描いて、田のように見せている)が描かれていて当時の九州で切支丹がどんな扱いを受けていたか彷彿させてくれるのだが、玉村にも同じ宗教の迫害の歴史を見つけるとは思いも寄らなかったので新鮮な驚きだった。