こんなことになろうとは

昨日一昨日と瀬戸の赤津の里窯めぐりに行ってきた。ついでに美濃の陶磁器資料館や荒川豊蔵資料館なども見てきた。とくに豊蔵の作品には深い感銘を受けた。たった数片の陶片を美濃の窯跡で見つけたことが陶磁器の歴史を塗り替える大発見につながったことも驚きだが、それ以上に私を動かすのは「見つける」ことと「作る」ことの融合だ。豊蔵は、加藤唐九郎と競うように桃山陶再現に情熱を燃やしたが、作風は磊落雄渾な唐九郎とは対照的だ。といって弱いわけではない。時を超えてひとの心にしみいるsmall hand(e.e.cummings)を持っていると言える。それはいくつかの陶磁資料館のガラスケースにひっそりと眠るすがたを見ただけで直感することができるほど確かな力だ。

さて、今回の瀬戸行の第一の目的は、今年瀬戸の訓練校を卒業したN氏(ブログを通じて知り合いになった)から訓練校の受験対策を教わることにあった。氏は超弩級に多忙なひとなのだが、私のために時間を割き、懇切丁寧に受験対策を教授してくださった。多謝。

受験は来年三月あまり時間はない。試験は一般常識、デッサン、面接だそうだ。デッサンはT先生に厳しい指導を受けているからたぶん大丈夫と思うのだが(しかもN氏によればデッサンはほとんど合否には関わらないらしい)、問題は一般常識だ。N氏によると、常識試験の成績が合否の鍵を握るらしい。

玉村に帰るとさっそく本屋へ走った。一般常識問題集を購入する。問題集を解く。いやあ、難しい!特に政治経済が高い壁だ。国語の漢字書取りや数学はできないながら、大脳の一番奥の方にしまい込まれた情報を手探りで引き出しつつ、解いて行くのがそれなりに楽しい。しかし、社会は小学校時代から大の苦手なのだ。衆議院議員の定数は?えっ、そんなこと言われても……。憲法が制定されたのは昭和何年何月?むむむ。そんな具合でなかなか進まない。これでは学科試験で不合格という不名誉な事態に陥る可能性も出てきた。何としてもそれだけは阻止せねば。あ〜あ、誰か助けてくだされ!