冷や汗もの

今思い返すと冷や汗が出ることがある。

備前のF・和さんの茶碗を買ったときのことだ。たまたま展示会が高崎であり、めったにない機会なのでやや熊川なりの茶碗を購入した。ちょうどその日は和さんも来店されて、相手をしてくださった。その前にメールでやりとりをしたのだが、たまたまその時劇団の秋の公演台本を書いていて、『ハムレット』の

O God, I could be bounded in a nut shell and count myself a king of infinite space, were it not that I have bad dreams. (Hamlet, II.ii.)
仮令木の実に閉じこめられていようと、我が身を無限の宇宙の主と見なせるぞ、悪い夢を見ているのでなければ・・・。
という台詞を芯にしていた。それが頭にこびりついていたので「狭い見込の中に無限の広がりを感じます」とメールした。当日お会いしたとき、開口一番、冗談ではあるが「どうせ私の見込は狭いですよ〜」と言われて、はっとなった。

ことばはむずかしい。私は、海などに比べればはるかに狭い見込なのに・・・というニュアンスのつもりで書いたのだが、もしかすると伝わらなかったのかも知れない。当時陶芸をやっていたわけではなく、見込は広く作れ、などという鉄則は知るよしもなかった。

でも、今自分が誰かに「狭い見込・・・」と言われたら、ぎょっとするに違いない。陶芸関係の人間ならたとえ話にせよ、狭い見込などとは言わないだろう。

釈明もままならず、ひたすら冷や汗をかいていたあの日も夏だった。あれから4年、今私は広い見込が作れずに苦労している。

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