唯我独尊
お釈迦様が生まれてすぐに天と地を指さして言ったと伝えられている
天上天下唯我独尊
ネットで調べていて気がついた。
でも、辞書や辞典というのは最終的には役に立たないものだ。この詩句の意味を調べると「我は世界のうちで最もすぐれた者であるの意」とある。これが間違いと言うわけではないが、これでは仏祖がこう言ったとする伝説の真意が分らないではないか。だから暴走族あたりに悪用されたりする。
霊鷲山での説法で粘華微笑したときも、お釈迦様は同じことを伝えようとしていると思う。ただ、その秘儀は同時に微笑した摩訶迦葉にしか伝わらなかったが。逆に言えば、私たちも微笑すれば秘儀のただ中に直入できるのだ。
「天上天下唯我独尊」の秘儀はうれしいことに古今を通じてことばを替えて表現されている。
例えば
好雪片片不落別處
(こうせつへんぺん、べっしょにおちず)
(『碧巌録』)
あるいは
織り成す古錦 春象を含む
東君の漏泄を奈何ともすること無し
(『従容録』)
君看双眼色
不語似無憂
(きみみよ そうがんのいろ
かたらざること うれいなきににたり)
合掌。
付け足し:最後の詩句については以前、ここにくわしく書いたのでお暇な方はご覧下さい。