土殺し

めぐり巡るもの、ロクロ、そして、芯出し・・・。
片手が不自由なひとが使える手だけでロクロをものにした話をどこかで読んだ。
その時は執念の力に感銘を受けていた。その執念が、しかし、ぐるりと廻って私の掌に太い糸でつながっていようとは思いもしなかった。
土殺しは両手でやるものだと決めてかかっていた。でも、ものの本によれば片手で出来ないのは技術が熟していないからだそうだ。
となると片手で土殺しが出来るまでやるしかない。
押し下げはさほど難しくはない。土に悟られないように倒してやれば下に下がる。引上げはちと骨だ。底をしぼることに熱中すると土が切れてしまう。さりとて適当にやっても引き上がらない。もう少し滑りやすい土でやれば楽な気もするが、貫入土を軒下の臨時粘土置き場から引っ張り出すのは面倒(あくまでもものぐさである)なので、切立湯呑稽古で使っているもぐさ土でつづける。
何となく分りかけて来た感じはするが、この稽古は奥が深そうだからそうたやすく会得出来まい。今は窯がないからこういう稽古にはもってこいだ。片手でやっていると両手を使えることのありがたさが身に沁みる。
例の理想郷、まだ持主と連絡がつかないとのこと。窯場探し、片手の芯出しの如し。

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