と、愚痴をこぼしていたら素晴らしい音楽に出会った。
ウィーンフィルズビン・メータ指揮のベートーヴェン第七だ。
これほど音が響く第七を聴いたことがない。第1楽章導入部分でもう参ってしまった。
残念ながら今夜は第1楽章と第4楽章しか放送されなかったがそれだけでも十分だ。
こんなに音楽に陶酔するのは久しぶりだ。あの第九のあとだっただけに余計に鮮烈だ。
音のひとつひとつが急流を上る鯉のように生きている。とてもつかまえられはしない。ときどき逸脱もあるがそれはご愛敬、むしろ生きている証拠だ。
ホールが鳴っていた。TVでもそれが分るほどよく鳴っていた。あのホールで聴いた人はさぞかし感動したろう。ちとクヤシイ。
オケの音楽に対する姿勢がN響とあまりにも違っていた。もちろんN響だって世界屈指のオケだ。だが、このオーストリーのオケは音楽はこうやって楽しむんだとからだで表現していた。それぞれの音にオーラがあった。その語源のごとく舞台から音が風になって吹きまくっていた。
これでようやく年が越せる。
多謝。