遭遇
ナルシソ・イエペスの「アルハンブラ宮殿の思い出」をYouTubeで聴き直していたら、類似検索の項目にいろいろな奏者のアルハンブラがあったので、いくつか聴いてみた。三番目だったろうか、ヨハンネス・メラー(Johannes Möller、スウェーデン。今年6月に行われたアメリカギター協会の国際コンクールでグランプリを獲得)の演奏に息をのんだ。
若き金髪のギタリストの指から発せられるオーラは時間の密度を数層倍も高めてくれる。
ちょうど『十二夜』のオーシーノオの台詞のようだ。
O, it came o'er my ear like the sweet sound
That breathes upon a bank of violets,
Stealing and giving odour!
(すみれ咲く丘からそよいでくる甘いそよ風のように、かぐわしい香りとともに私の耳に迫ってきた)
一音一音、音の粒が立っている。ネットの紹介記事にあったように、カリスマ性を持った希有な音楽家である。
いいものに出遭うと世界の色が変る。また、目標が一段階上に設定された。