動かぬもの

ゆうべたまたま映った番組がNHKのプロフェッショナルだった。群馬県警の鑑識官が紹介された。
たった1mmの塗膜片から加害者の車両を特定する。事故現場の路面からそれを見逃さず採取する能力も素晴らしいが、1mmの破片を裁断し、3層に塗られた塗料を特定する眼力には人間を超える力を感じた。時には28時間以上も睡眠を取らずに作業をつづける。
何が彼をそこまでさせているのだろう。
彼には「動かぬもの」が見えていた。「動かぬもの」に向って進むことが彼のいのちなのだ。
翻って我が身を省みると忸怩たるものがある。私にはまだ「動かぬもの」が見えない。

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