一息つこう……

ただいま、施釉終り。器の数は少ないのだが、あの釉とこの釉とと欲張ったら洗いものがたいへんな数になってしまった。カインズで買ったバケツ(1個100円未満)が大活躍である。

夕飯を食べたら、窯詰めだ。

私のやきもの作りはほとんどのんびりしたものだが、今日の工程だけかいつもなぜかあわただしい。


まず素地ならし。弾いたままなので余計なバリや高台のガタがある。それをならす。

つぎは釉がよく貼り付くように軽くあぶる。ひとによってはここで素焼をするのだが、∴ん窯は基本的に生掛けなので、あぶるだけだ。

素焼は700度〜800度で器を焼くこと。こうすると土はもう元の粘土には戻らない状態になる。水分は完全に除去されているので釉がよく乗るし、施釉中に割れる心配もない。あぶりはせいぜい250度(ひとによっては400度)くらいまでしか窯の温度を上げない。こうするとただ天日干ししたのよりは釉の貼り付きが多少よくなり、ムラが減る。

3時間〜5時間あぶると少し冷ましてから釉を掛ける。ほとんどの釉はすでに調合して大きな容器に保存してある。それを元釉と呼ぶ。そこから必要なだけ取出して使うのだが、元釉にはダマがあったりするので篩に掛けなければならない。これがちょっと面倒くさい。でもここで手間を惜しむとあとで痛い目に遇うので手抜きは出来ない。釉によっては(長石釉など)貼り付きが悪いのでここでCMCやふのりを入れる。ときどきそれを忘れてひどい目に遭ったこともある。

しかし、釉によってはCMCを入れても、どさっと剥がれてしまうものもあるから注意が必要だ。剥げた釉は棚板の上で融けて固まるから、それをタガネでトンカントンカンやるハメになる。釉の試験焼成の多い人や、織部をやるひとはダイアモンドカッターをグラインダーに取付けて剥がすようだ。

また、施釉中に釉がぽちゃんと跳ねると目に入って痛い。なにしろ石の粉だから。眼鏡は必需品である。
分っているはずなのについ忘れてしまう。今日も頭に眼鏡をあげたまま釉をかきまわしたらピットンと跳ねて目に入った。馬鹿である。

施釉が終ると少しおいて、剥がれていないかどうか確認して、窯詰めとなる。

ひと窯で焼く器が多いと効率よく窯詰めをするため、知恵を絞る。時には入りきらずやり直すこともある。

今回は大名窯なのでその苦労はなさそうだ。

ブログを書きながら夕飯を食べ終わる。
こういうときは甘いものが欲しくなる。どいなかまんじゅうを食べるとしよう。

もう一息だ。