旅
∴
鳥がなく
陽がさす
耳で見ている
今日は昼からの停電だ。12時20分から40時の予定だ。
花粉症の鼻づまりがゆうべは激しく3時からしばらく眠れなかった。5時頃だろうか、すうっと通りがよくなり、それとともに深い眠りに。起きたのは10時少し前だった。
「旅に出ることは日常の習慣的な、從つて安定した關係を脱すること」と三木清は言った。
昔バイクでツーリングをよくした。ツーリングの楽しみははじめて訪れる土地の風物に出会うことであるが、一番の収穫は長い旅を終えて住んでいる土地に還ってくるときにある。見なれた風景、通い慣れた道、それらがこれまでとは違ったすがたで私を迎えるのだ。旅人の眼で故郷を見る。非日常の眼で日常を見る。その発見の瞬間のためにツーリングをしている、とさえ思ったことがある。
停電もある種の旅だ。