飽きずに塩笥

停電まえに買い出しに行った。
スーパーは普通にやっている。ただ納豆、パン、米、卵、冷凍食品、などがほとんどなかった。産地が被害にあったり、被災地への供給を優先したり、あるいは、もしもの用心に買いだめしたり、理由はいろいろだろう。もともとたいした料理は作っていないのでさして困りはしない。食べるものがあるだけ幸せである。

帰り道、正面に赤城山が見えるはずなのだが、絵に描いたような純白の雪雲におおいつくされて何も見えない。こういうとき、決まって里は大風である。

家に戻り停電になると同時に、風花が花吹雪となって舞い飛んでいた。

妓娃尼さんがお昼を差し入れに尋ねてきてくれた。こういうときひとり暮らしはなにかと心許ないものである。いっしょにお昼をいただく。劇のことや、料理のこと、日舞のこと、いろいろ話して停電のときを過ごした。

通電後、ろくろに向う。
群馬の森クラフトフェアに出展する器の中心は柿の蔕と塩笥である。塩笥はいろいろな土といろいろな釉、そして、いろいろな焼きのものを出したい。塩笥オンパレード!という風に。最低でも100個は並べたい。作っている塩笥は小ぶりなのでそのまま湯呑に使える。珈琲にはなかなかよく似合う。