富士が見えた
てっぺんだけだが


どんなことにも言えることだが、苦労をともにすると絆が強まる。じゃ、私と私のからだとの絆はどうなんだろう?強すぎるくらいなんだが、果たしてそれがいいものなのかどうか……。それは自愛であって慈愛ではない。ぽろりとこの執着を捨てられたらなあ、と思う。喜捨があってはじめて慈愛が育つはず。分っちゃいるけれど煩悩の闇の深さよ。自分を大事に思うあまり自分を粗末にする皮肉。先人たちはどうやってこの乱麻を断ち切ったのだろう。


もう少ししたら、なんのためにわたしたちが生きてゐるのか、なんのために苦しんでゐるのか、わかるやうな気がするわ。・・・・・・それがわかったら、それがわかったらね!
チェーホフ「三人姉妹」)






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