本番まぢか
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薄曇り
日が蔭ると稽古場が冷える
今週土曜日が彦部家屋敷での朗読公演当日だ。いよいよ稽古も追い込みになってきた。芝居と違って台本を持って読むので一見簡単そうだが、役者に言わせるとむしろ大変だという。
夜中もたうにすぎてしまひはもうじぶんが弾いているのかもわからないやうになって顔もまっ赤になり眼もまるで血走ってとても物凄い顔つきになりいまにも倒れるかと思ふやうに見えました。
ずっと目で追いながら読んでいるとどこを読んでいるのか、あるいは、「じぶんが読んでいるのかも」分らなくなる瞬間があるらしい。
演出には分らない役者(朗読者)の苦労があるのだなあと思った。野鼠親子のくだりなどは聞いていてつり込まれてしまうのだが、役者にとっては緊張の持続がもう限界ぎりぎりのところなので、薄氷を踏むような思いで読んでいるのだ、という。立場が違うと思っていることが天と地も違うのだ。
あと、数回の稽古で本番である。この出し物は2月に本庄公演もあるからしっかり仕上げて、冬泉響のレパートリーになるような味わいある作品にしたい。