ひねもすのたり
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スズメの子がさえずる中
産土神はだまっていた
ややうすら寒い午前、山房に接する神社へ散歩。
もうすっかり若葉が出そろって緑がきれいだ。梅にはもう実がなっている。緑のうぶ毛が赤ん坊のほほを思わせる。
やまぶきはもう盛りを越しているのだろうか。しぼみかけた花もちらほら……。それでも黄色と緑が薄曇の空の下、おだやかな諧調の中でゆらめいていた。
実のひとつだになきぞなかしき……の花の横、つつじの花びらの真っ只中にカメムシを発見。
お腹の縁飾りがなかなかおしゃれである。とてもあの臭いの持主には見えない。わが家に飛来するのは別種なのだろうか。こんな洒落ものは見たことがない。それとも恋の季節には着飾るのだろうか?
畑仕事の中休みの農夫が三人ぶらぶらしている私を見ている。働かざる者喰うべからず、と言っているようにも思えるのだが、それはひがみというものだろう。
不意にケッキョケッキョケッキョとホトトギスがけたたましく鳴いた。
今日も風が強い。