七転八起

昨日、新しい器が焼けた。釉(うわぐすり)の狙いは九割方外れ、無惨な結果だった。それでも二点ほどいいものが焼けた。それでよしとしよう。そのうちの一点(ぐい呑み)を我が敬愛するナガヌマ先生に進呈した。見てひと言「渋い」。果たして気に入ってくれたか、やや心許ない。

陶芸の道は七転八起だ。誰かがこの四字熟語を「しちてんばっとう」と読んだ。本人の名誉のためにそれが誰だったかは言わないでおこう。しかし、確かに心のうちは七転八倒ではある。