還暦のお祝い

卒論ゼミ生から甚平、キャップ、赤いチャンチャンコならぬ赤いパンツを頂戴した。

うれしいものだ。だが、これで陶芸というわけにはいくまい。今の腕前だとあっという間に泥だらけになることは眼に見えている。もう少し上手になっててから陶芸には使おう。上手と言えば、陶芸では同じ字を書いてジョウテと読む。

ジョウテとは世界に一品という精巧な作品のことだ。それとは反対に一般大衆向けの作品を陶芸ではゲテモノと呼ぶ。

ジョウテモノということばは日常使わないが、ゲテモノはよく使う。ゲテモノ食いなどはその隠喩的転用になる。

こういうことばが陶芸に由来するということを先日初めて知った。この歳での出発ではどうあがいてもジョウテモノの領域には入れまい。下手物の部類で我慢するしかない。だが、ゲテにはゲテの味わいがある、と自らを慰めよう。