土の固さ

ロクロを挽く。水を粘土に染み込ませて成形するのだから、粘土は、触れてみると分るように、ぐにゃぐにゃだ。ちょっと力の加減を間違えると器ははげしく変形して《オブジェ》と呼ぶしかないシロモノになる。にもかかわらず、ロクロで水挽きしているといつの間にか指の腹が摩擦でこすれ、少しづつはがれて行くのが微かな痛みで分る。

もちろん、それは初心だからで、このまま修練を続ければ指の腹も硬くなって行くのだろう、ギタリストの左手の指先のように。


昨日、今日と筒茶碗を挽いた。夏には午前挽いた器が夕方、少し油断していると削れなくなるほど乾いてしまったが、今は口造りは割合すぐに渇いても、高台の回りがなかなか乾かない。乾かないと素焼きに廻せないので本焼きまでの周期が長くなる。季節の移り変わりを感じる。