うまく行かない縮緬

縮緬が好きだ。高台の花、茶碗の醍醐味とも言える。
高台脇の縮緬は(土にもよるが)何とか出るのだが、問題は高台内だ。つくる陶磁郎22「茶碗で魅せる!」の唐津土の削りでは田中佐次郎氏がいとも簡単に縮緬を出している。
カンナはこの写真をもとに同じようなものを作ってみた。唐津の土でやってみたが、おや?と首をかしげるほどうまく行かなかった。もちろん削り時期の問題があるから一概にはこのカンナが不可とは言えないが、別のカンナで高台脇の縮緬は出ているからまったくの時期外れではない。
こういうのはいろいろ試してみるしかない。
そこでこの間、施釉用の柄杓を作ったときに出た端切れを探すと、ちょうどカンナに使えそうな皮一枚だけ残ったのがあった。曲げるにはまだ肉厚だったので切り出しで少し薄くしてから曲げて、柄を付けてみた。

カンナを作ると削ってみたくなるのが人情だ。試し削り用の器を挽いた。午後には削れるだろう。さあ、どうなるかな?