日曜はダメよ

日曜は休む、というのを基本にしている。日曜はダメよ、である。
今日は骨休め、というより、肉休めだ。
洒落を解説するのも野暮な話だが、昔ギリシア映画に「日曜はダメよ」というのがあった。映画は観ていないが、主題歌が流行ったので知っている。民族楽器が奏でる懐かしい響きと親しみやすい旋律が人気を呼んだのだろう。
だから、日曜はダメなのである。

話は飛ぶがシェイクスピアの喜劇に『十二夜』というのがある。箴言の達人、同時に屁理屈の達人、道化フェステが登場する。
芝居も大詰めという場面で公爵から機嫌はどうかと問われて、フェステは応える。


Truly, sir, the better for my foes and the worse for my friends.
(はい、敵のおかげで上々、味方のおかげで下々といったところで。)
それでは理屈が逆さまだろうと言われると、味方はお世辞で私をだめにするが、敵は真実をぐさりと突付ける。おかげでおのれを知るに及ぶ、と屁理屈をこねくり回した挙げ句

so that, conclusions to be as kisses, if your four negatives make your two affirmatives, why then the worse for my friends and the better for my foes.
(要するにこれはキスのようなもの、ダメダメダメダメはいいよ、いいよ。だから、敵のおかげで上々、味方のおかげで下々、はい。)
実におもしろい。
マイナスとマイナスを掛ければプラスになる。だから、4つのマイナスは2つのプラスを作る。数学的にも理にかなっている。それをキスのようだ、というところがミソである。
さんざっぱら理屈を振回しておいて、ふっと力を抜いて、色っぽいたとえを持ち出す。他の台詞は忘れても、こういうところはしっかり覚えている。
やっぱりシェイクスピアはすごい。
ね、セザーリオ君。