ものの力


O wonderful, wonderful, most wonderful wonderful, and yet again wonderful, and after that, out of all whooping! (ああ、すごいわ、すごいわ、とってもすごいわ、もっと言わせて、ものすごいわ。それだけ言っても、まだまだ足りない。)
これはお馴染みシェイクスピアは『お気に召すまま』の名台詞である。
二つの山が動いて一つになる。あり得ないことだ。でも、絶対にあり得ないことではない・・・シェイクスピア地殻変動について知っていたのだろうか?この台詞の話者は、離ればなれになった恋人が再び出会うのはそれ位「すごい」(原文ではwonderful、つまり、驚きでいっぱいな)ことだと興奮している。
昨日、不思議な縁(えにし)の糸をたどって萩の作家止原氏から斗々屋茶碗が送られてきた。掌が茶碗に触れた瞬間、私はことばを失った。しばらくして頭に浮かんだのがこの台詞だった。
何故か知らないが、会うべきものに出会ったという感覚がした。
到達すべき地点に達したものだけが持つ、有無を言わせぬ威厳がある。
困ったことにそれを前にすると私の器はすべてゲテモノになってしまう。
ちなみにゲテモノ(下手物)とは陶芸のことばで、洗練された作行きのジョウテモノ(上手物)に対して、普段使いの大衆品を差すのだが、骨董ではしばしば下手物が高い評価を得る。
そんなたいそれた意味ではない。私のはただの「ゲテモノ」である。
困った。困った。実に困った。もひとつおまけに、本当に困った。
でも、これはうれしい「困った」だ。

目標があるのはたのもしいことだ。心強いものだ。
 


ここに斗々屋茶碗がある。ひしひしとものの力を感じる。ものが語るのだ。ものが招くのだ。ものがそそのかすのだ。

はてなのブログでは写真のサイズに制限があってこのサイズが最大である。私としてはもっと大きな画像で見ていただきたい。そこでHPを作った。いろいろな角度から止原氏の斗々屋茶碗を紹介したので是非ご覧下さい。ただ、私の稚拙な写真術が器に追いついていないという問題はご容赦のほどを。


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