斗々屋稽古

徒然草ではないが、つくづく先達はあらまほしかなと思う。
頂いた斗々屋(初めての方はここをどうぞ)を自宅で文字通り撫でまわし、ふむふむ、ここで引上げの切替えをして、ここからはくんくんくんと三段で上げて・・・などとまずはイメージトレーニング。
工房ではからだに覚え込ませたそのイメージで牛ベラを使う。この牛ベラは作り方を止原氏に教わり桜の木で作ったものだ。売っているのと比べるとえらくカッコ悪いが使い勝手はよい。
20個、30個と挽くうちにいい感じになってきた。
今、長板に乗っている以前に挽いたのを見ると、ただの平茶碗である。
禅の世界では正師につかないといけない、とよく言われる。陶芸でも同じだ。師を持たないといけない、というのはこういうところに現れる。
もちろん訓練校では基礎をみっちり教えてもらった。だが、茶碗のことは鶸色屋さんに柿の蔕の注意点を教えてもらった以外ほとんど自己流だ。
今までは一つ作るのにああだ、こうだといじり廻しすぎていた。
牛ベラを使うと引上げの呼吸がとてもよい。楽しい。音楽の演奏に近い。「挽く」のではなく、「弾く」感覚だ。これからは「弾く」と言おう。
最低限必要な作業だけで引上げ、いや、弾上げを終えること。そうすると弾上げのリズムが器に残って茶碗が歌う。
まだ私の茶碗の歌は音痴だが、そのうちにいいノドを聞かせてくれそうな気がする。



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