『十二夜』

シェイクスピアの喜劇に『十二夜』Twelfth Nightというのがある。私の一番好きなシェイクスピア作品だ。
キリスト教国ではクリスマスから数えて十二日目(the Twelfth Day of Christmas)にクリスマスの飾りを外す習慣がある。雛人形と似ているなと思ったのは、この日をすぎても飾ったままだと不幸になるという言い伝えがあるところだ。日本ではクリスマスの飾りがお正月に持ち越されることはまずないが、この縁起担ぎをめぐってちょっとした混乱がある。
十二日目というのが1月5日なのか、6日なのかはっきりしないのだ。伝統的には5日がそうだと信じられて来たのでそれに従う派と、正確に数えると6日だから正しい日付を守るべきと考える派に別れているそうだ。
でも、不幸になりたくないからたいていのひとは5日に外すらしい。
ただ、面白いなと思ったのは二派とも十二夜は5日の夜としていることだ。クリスマスイブのように十二日イブとして・・・。
ちなみにシェイクスピアの『十二夜』の内容はthe Twelfth Day of Christmasとまったく関係がない。その辺がシェイクスピアの面白いところだ。『十二夜』には副題がついていて、曰く「あるいは、何とでもご自由に」。