小雪模様
若い友人に一度寝たら起きないひとがいる。その気になれば12時間くらい寝られるらしい。うらやましい。私の睡眠は2時間半が限度だ。「博士の愛した数式」の博士の記憶が正確に80分しか持たないように、どうやら私の睡眠も(正確にではないが)150分ほどしか持たない。
年を取るとそういうものらしい。熟睡の朝の爽快はいいものだが、ぐだぐだ眠れずに過ごす夜もいいものだ、と思うことにしている。落語を聞いたり、DVDを見たり、読書したり・・・あれやこれやと睡魔を待つ。
問題はこの待機の姿勢だ。眠りはおのずと訪れる。だから待っていると訪れない。皮肉だ。
眠ってはいけないときはよく眠る。眠らなくては翌る日がつらい、などというときは眠れない。
アウグスティヌスが時間とは何かと訊かれたときの答のようだ。
時間とは何かと訊かれなければ、私は時間についてよく知っている。
だが、ひとたび訊かれると、時間は突如として不可解になる。
土はおもしろい。
久しぶりに大勢のひとといっしょに土にさわった。訓練校以来はじめてだ。わいわいがやがや。