工房進捗録

夜、工房へ行くと灯りが点いている。
ダビンチ氏はどちらかというと夜型なのでいつも遅くまでやっている。
今夜はひさしぶりに私も少しだけ戦力になれた。大抵は「何か手伝うことありますか」の問に「今のところない」の答が多いのだが、今夜はめずらしく指示が出た。
私の役割はスタイロフォームという発泡スチロールよりもっと頑丈な厚さ45mmの板が床に張られた根太棒の間隔にすっぽりはまるように加工する準備だ。間隔はすべて違うので約25cmほどの幅を厳密に採寸し、スタイロフォームに鉛筆で印を付けることだ。それをダビンチ氏が電気ノコギリで切断し、すき間にはめ込む。この素材は寝室の断熱材として活躍してくれるはずである。
寝室部分は我が三角工房の突端にあるので部屋全体が三角形である。大工が嫌がるわけである。四角い部屋なら同じ長さに切ればすむ。三角だとすべての板の端は斜めになるわけだから、施工に時間がかかるのである。
私は11時までやって上がらせてもらった。ダビンチ氏はまだまだやることだろう。工房の内部の作業に取り掛かった3月最初の頃はいっしょに付合おうと努力したのだが、如何せんからだが持たない。ダビンチ氏の生命力はどこから湧き出すのだろう?ほとんど毎日3時間くらいしか寝ていないのである。本当に不思議だ。