削りはたのし

今日の予定は釉調合をのぞいて達成。
削りは私のやきもの作りで一番大事な部分だ。もちろん何が一番大事などとは言えないのだが、少なくとも一番好きな作業である。不思議な充実感がある。ろくろも好きだが、自分が弾いているというより何ものかに弾かされている、そんな感じが強い。削りはなぜかそういう感覚がない。おそらく自分のテンポで出来るからだろう。
やきものをやっていないと何のことかちんぷんかんぷんかも知れないが、作業手順は1)高台の大きさを決めて削り出し、2)高台脇(高台と胴のあいだ)を削り、3)高台横を竹の節に削ってから、4)高台内部を兜巾に削る。この4つの作業だ。
竹の節のときは手で回すから完全に自分のペースでできる。
削った土はまだたっぷり水分を含んでいるのでそのまま元の粘土に戻す。
ものによるが削りの時間は約1分半。
ろくろで弾く方が時間がかからないものもある。
同じものを弾いているとだんだん調子が出てくるので、どんどん早くできるのだが、削りは早くはならない。
まず回転が超スロー。そうしないと縮緬皺が出ない。手回しの部分もあるし、その上、本体からつまみ取れる削りカスは指先でつまんで取るからさらに時間が掛かる。
粘っこいからつまみにくいことこの上ない。小さいカスが特に取りにくい。爪を立てると本体に傷が付く。あれこれやってみているが名案はない。こつこつ取るしかない。もちろん、取り切れないものは乾燥してから取る。乾くと簡単に取れることが多いが、場合によっては本体と合体してしまっているのもある。やはり削った段階で取るのがよい。
でも、削りはたのしい。