窯出し待ち
ゆうべ10時に鎮火し、約21時間が経った。窯の温度は300度。もう少し我慢しなければ。
と書いている横をカマドウマが通りすぎて行く。外に比べたら室内は天国なんだろうなあ。5cm以上ある触覚を動かしながら畳の上を歩き回る。何を探しているんだろう?
今回は信楽土青柿釉で色見をした。色見穴から懐中電灯の灯りで見る限り中のうつわも大丈夫そうだ。問題は黒釉なのだが、最下段に入れてあるので見えない。あと少しじりじりしながら待つしかない。
カマドウマはまだそのその動きまわっている。ときどき跳ねているのだろうか微かな音がする。
扉を開けた瞬間が天と地の分かれ目だ。残念ながらほとんどの場合がっくりする。有頂天ということはまずない。よくて「まあ、こんなものか」という波風立たない反応だ。
9時頃には開けたい……