時代遅れな漢字表

今朝の新聞に常用漢字表に新たに188字加えるという記事が載っていた。同時に「叩く」や「噂」、「朋」などが選に漏れたとも報じられていた。

こんなバカげた選定作業を大の大人がまじめに議論しているのだろうか?そもそも使う漢字を制限しようという国家統制的発想が貧困極まりない。

一時代前には世間にほとんど知らされていない形で、我が国のエライさんたちは日本語の表記はすべて仮名文字だけにしようと本気で考えていたのだ。当用漢字という命名を見れば明白だ。

とうぶんのあいだはつかうけれど、やがてぜんぱいする、そういういみがこのめいめいにこめられている。それがどれほどにほんのぶんかをききてきじょうきょうにおとしいれるかかんがえもせずに。

でも、すったもんだの末、漢字は常用となり、晴れて堂々と日本語は漢字仮名交じり文を表記の本則に据えた。

そもそも、この問題は文化審議会国語分科会漢字小委員会などという末端の組織で決めるような問題ではないのだ。もっと日本文化の根幹に関わる重要案件として扱うべきなのだ。

文字は使いたいだけ使うのがよい。それが一番自然だ。読みにくいほど多様するひとの文は読んでもらえなくなる。。逆にほとんど使わなければ上に茶化して書いたようにこれもまた読んでもらえなくなる。ただそれだけだ。文化はそうやって淘汰される。それが健全な育ち方だ。お上が口を出すような問題ではない。やるとしても学校教育で教える漢字の選定にとどめて欲しい。

今回の選定で極めつけは「嘘」が表から漏れたことだろう。きっとさる筋から圧力が掛かったのだろう・・・こんなに危険な文字を国民に覚えさせてはならない、と。でも、みんなとっくに知っているんだけれどね。表に「嘘」の字が入っていないのが如何にも嘘っぽくて白けてしまった。