14年の落差〜「29歳のクリスマス」

たまたま再放送されていた当時のトレンディードラマ「29歳のクリスマス」(1994年)を見た。見るのはこれが初めてだ。
向田邦子賞を取った鎌田敏夫の手になる脚本だ。受賞者を見ると市川森一山田太一早坂暁松原敏春倉本聰とそうそうたるメンバーが名前を連ねている。
しかし、時代の流れはどうすることも出来ないということだろうか。トレンディであればあるほどその落差は大きくなるだろう。まだ20代の若造がこともなげに億単位の金を口にするのを聞いた瞬間、興ざめする自分がいた。
また、恋の糸のもつれに金銭を表の顔にしたステイタスが露骨にからんでいるのも時代だなと感じる。
だったら今のドラマはどうなんだと言われるとその手のドラマから遠ざかっているからなんとも言えないのだが・・・。
とにかく14年はTV界にとってあまりに長い年月と言うことだけは実感できた。人間の14年もそんな風に変っているのだろうか。我が身を振り返るとき、そうとも言えるし、そうでないとも言える。その点シェイクスピアは400年経ても人間の洞察力の点で色褪せることがないのはさすがというべきか。