糸尻娘はゴキゲンななめ

シッピキで切り取った跡は、いつも思うが、いいものである。高台を削り出すと糸の年輪が消えてしまう。なんとか高台を削らずに使える湯呑にしたい。つまり、糸底を残した切立湯呑である。
そこで今日から切立湯呑の底がちょうど良くなるようシッピキで切り取る稽古に入った。
厚すぎるとS字の亀裂が入る。バランスも悪い。手持ちの器の必須条件は底を軽くすることだ。全体が同じ重さでも底が軽いと軽く感じ、底が重いと実際より重く感じる。一種の錯覚だが、手の感覚は面白い。
大抵はまだ底が厚すぎる。しかし、ちょっと目測を誤ると底に穴が開き、茶碗が植木鉢になる。
ほどよい場所が見つからない。10個に1、2個くらいしかちょうど良いのはない。それも当然だ。これまでは高台のための厚みを作って切り取っていたから、その感覚が手に残っている。新しい感覚に馴染むのには時間が必要だ。1週間かかるか1月かかるかやってみないと分らない。
その上、哀しいことに底に注意が行くと挽き上げがおろそかになったりする。
なかなかこの気まぐれ娘の寵愛を得るのはむずかしいようだ。

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