真竹の味

走り慣れてきた道を行くと農産物館に「まだけ」の看板が出ている。
ん?真竹?竹を売るの?
いや、いや、そんなことはないだろう。きっとあれは「まいたけ」と書いてあったんだ。「い」が濁点に見えたのに違いない。この辺は舞茸の産地である。
お昼をすませて工房へ行く、とダビンチ氏がお茶が入っているよ、と誘ってくれる。
お茶うけは筍の煮物だ。
あれ、筍はまだ取れるんですか?
と訊くと今が旬だ、という。
話しているうちに今私が口に入れているのは孟宗竹ではなく、真竹の筍だということが判明する。
そうか、あの看板はこれのことか、と納得。
やっぱり「まだけ」だったのだ。この辺りでは「まだけの筍」などとまだらっこしい書き方をしなくても通じるのだろう。
真竹の筍はさっぱりした味で美味しかった。孟宗竹よりこっちのが好きかも知れない。
ダビンチ氏は自宅の裏庭の竹藪から筍を掘り出し、今日は朝ご飯も食べずにトラックでおすそ分けに21軒も廻ってきたという。
私にはこのフィランソロピーは絶対に真似できない。でも、これが古くからの農家の普通のつき合い方なのかも知れない。




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