仕上げつづき

瑕疵と味は紙一重
芝居でも同じだ。稽古の失敗から斬新なフリが生まれること多々。
しかし、ろくろが未熟だ。持ち重りのするものはどう仕上げようがどうにもならない。不思議なのは重量と手取りは関係がないことだ。ほぼ同じ大きさの手毬唄で、秤では重いのに手取りがよいものがある。底が軽いせいだ。というより全体のバランスがよいと手取りがよいようだ。逆に秤では軽くてもバランスが下にあるとやっかいな感じになる。
手の感触は面白い。
また、目の感触も手取りに響く。白いものは軽く作れ、と教わった。白い器は持つ前に軽やかな手取りを想像している。だから持ち重りがすると不愉快な感じになる。逆に黒い器は軽すぎるとぺらぺらな印象を与える。
人間の感覚は遊びに満ちている。


追記:仕上げとは何ぞやと知人に訊かれたので……
窯毎に千差万別だろう。
私の場合、作りの際、口になめし皮を当てず指だけで作るのでざらついたり、ノタ(粘土が水に溶けてぬるぬるしたもの)が残ったりするから、それを水拭き(布に水を含ませて軽く直す)する。器の口は口に直接付く場所だからここだけは神経を使う。
ろくろから外すとき、指に付いたノタが腰回りに付くことも多い。それはその時その器にだけ現れる模様になるから極力残すようにしているが、あまり実用に適さないときは水拭きして和らげる。
また、かなり柔らかい段階で削るので、湿台(削る際にろくろに据える台座。その上に器を乗せて削る)の跡が見込に残っていることがある。それを水拭きでならす。また、カンナからべとついた削りかすが飛び散り器にこびりついてしまう。その時に外そうとすると器に傷が付くので乾いた段階でそっと剥がす。
砂が入った土の場合、高台削りで縁にびらびらが出てしまうことがある。それも軽く水拭きしてならす。
そんなところだろうか。





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