シェイクスピアを朗読してみよう
社会還元の一環として現役の大学教員と共同で4月から英語教員を対象にした英語発音上達ワークショップを行うことにしている。
隔週で全6回の予定。
大学時代、公開講座でシェイクスピアの朗読をしばしば取り上げてきた。シェイクスピアの英語は書斎で読むより、舞台に響く台詞として読んではじめてその味わいが出てくるたぐいのものだ。
その独特のリズムをからだで掴むにはろくろと同じで、ある程度時間が掛かる。もちろん英語の原文をよどみなく読む努力も要求されるが、それ以上に音楽的なセンスが絶えず問われる。そこが楽しいのだ。
意味ではなく、音……それがシェイクスピアの魅力だ。意味は音のあとから付いてくる。
例えば……
Go play, boy, play. Thy mother plays, and I
Play too. . .
(The Winter's Tale)
レオンティーズの苦い思いはこうやってぶつ切れにされて発せられてはじめて舞台では鈍い光を帯びて輝く。
いや、劇作品だけではない、ソネット138番のこんな切り口上も面白い。
When my love swears that she is made of truth
I do believe her though I know she lies. . .
これはずいぶんぜいたくな遊びである。大学院生時代いっしょにシェイクスピアを上演した仲間が北海道の大学で今もシェイクスピアのゼミやワークショップをやっているが、一度味を覚えるとやめられないのである。
ワークショップの詳しい日程はのちほどお知らせします。