中窯、窯焚き
5時45分起床。久しぶりの早起きだ。
窯焚きの一日。
先ほど鎮火。予定どおり9時間ちょっとの酸化焼成。
6ヶ月ぶりの中窯だった。まだ暗い中で4本のバーナーを点火している時、ふっと訓練校時代に大澤ガスで窯を借りて焼いた時のことが甦ってきた。
まだ窯焚きの経験がほとんどなく、すべて手探りで焼いていた時の思い出。
あの時はすべてが新鮮な緊張感に包まれていた。やはり真っ暗闇のなか、車に積みこんだ施釉済みの器をおそるおそる窯場に運び込む時の張りつめた感覚。いつの間にか忘れてしまった感覚。
何も手にしていないのに大きなものを抱えているような妄想・自負、不安だからこそ味わえる期待、陶芸家として自立するための一歩を踏み出しているという、頼りない中にも確かな感触……あれこれをごちゃまぜにして焼いていた。
今朝、それをほんの一瞬思い出した。