百窯目の窯出し
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鰻を食べた
不漁と聞いてはいたが
あまりに小さいので驚いた
小窯のおかげで頻度の高い窯焚きができるようになった。確かに窯の大きさでずいぶん焼いた感じが違うものだが、どんな窯であろうと炎の気まぐれな魔法は健在である。
土練り三年ろくろ十年窯焚き一生
と言われる所以だ。私のように還暦から陶芸の道に入った者には窯焚きに習熟する時間が残されていないという厳しい現実がある。だからせめて数だけでもこなすことが大切なのだ。
小窯大明神である。
土の試験のために井戸を弾いて削った。
これは一昨日弾いて昨日削ったもの。
井戸は魅力的だが奥が深い。釉調が何よりむずかしい。釉の方は真正面から攻めて十年くらい掛りそうだから、まずは姿を手に覚えさせて、しばらくはかたちの遊びをしていこうと思う。
落語「井戸の茶碗」の井戸ってどんなだったのだろう?