大脱出
∴
ようやく晴れた！
雪も融け始めた
二日間陸の孤島状態だった∴ん窯やきもの山房。
朝、脱出計画を実行に移した。
まだ雲が厚く日は出ていない。取りあえず車輪の周辺の雪をかきだしてから、動かしてみる。
少しだけ動いた。２ｍくらい前進してまたスタック。少し斜めにバックして運転席側から乗り込めるようにした。雪が深すぎて一昨日も、昨日も助手席側からしか乗り込めなかったのだ。
次の作戦は１１時決行。陽が射して少し雪が融けはじめた。
これが運動不足の私にはこたえた。
わが家は国道353号から約１５０ｍくらい（計ったことはないが）引っ込んだところにある。その１５０ｍ間にあるのは３軒だけというのどかな環境だ。
国道に一番近いＩさんは働き者である。雪が積もると朝早くからせっせと雪かきして自宅から国道までの道（約３０ｍ）をきれいにしていた。車の出入りは自由だ。だからＩさん宅は食糧難にはならない。
Ｉさん宅からの奥にはＫさん宅がある。そのおよそ２０ｍは雪は積もったままだ。でも、Ｋさん宅は農家なのでやはり食糧難にはならない。
Ｋさん宅からさらに１００ｍ入った袋小路にわが家はある。こんな日には誰も来ない。行き止まりなので車も通らない。当然、雪は積もったままだ。わが家は普段毎日買い物に出掛ける。今回の雪は予報では大したことはない様子だったので、買いだめしようなどという考えはまったくなかった。というわけで今日買い物に行けないと食糧難が現実のものになる勢いだったのだ。
人間食い物がかかると俄然働き者になる。ものぐさな私も例外ではなかった。とにかく車を出せるようにせねば……と我ながらがんばった。
おかげでちゃんと夕飯が食べられた。ありがたいことである。しかし、前にかがむと腰が痛い。イタタ……ま、運動不足の報いだね。
