雪のあと



夕方の風が切るように寒い
焼き芋を買った

雪が降っているあいだはあたたかいが、その後が大変だ。

道の雪のほとんどは陽に当って融けてしまうのだが、ごくまれに一日日陰の場所がある。かちんかちんに凍りつき、歩くのも車で走るのも大変だ。

スーパーへの抜け道に一箇所だけそういうところがある。鏡のように光っているので見るからにすべりそうだ。

そう言えばスキー場も三月ころになるとそういうアイスバーンがいろいろなところに出来ていた。初心のときはそういう斜面を上手く滑れず何度も転倒した。不思議に転ぶときは同じ側で転ぶのでいつも同じ骨をしたたかに打って痛い思いをしたものだ。

岩鞍には名物となっている短いが結構ハードな練習用の斜面がある。当時はナイターがあったのでその照明が反射するくらい上から下まで同じ幅で凍っていて足に自信のあるものが群がっていた。だが、たいていは途中で挫折する。もちろん滑れなくはないのだが、はじめから終りまで同じスピード、同じリズム、同じ振幅で滑って初めてその斜面を克服したと言える。

ある時ひとりのポニーテールの女の子が滑っていった。その滑りは群を抜いていた。多くのスキーヤーはなんとかこなしましたという程度なのだが、その子はつるつるの斜面を遊んでいた。聞けばスラロームのレーサーだった。

まったく同じ斜面を滑ってこうまでも違うのかと技術の力に愕然とした記憶がある。

秘密はなにもない。ただ技術があるのみ。何でもそうである。そして、技術を持つもののわざは端から見ていると誰にでも出来そうに見える。むずかしい仕事を楽々とこなしているためそう見えるのだ。

私のろくろはまだまだだなと思う。


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