有言実行のワナ
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久しぶりの晴天!
いよいよ梅雨明けか
ワールドカップ、いよいよ準決勝がはじまる。ワクワク……
しかし、今回のワールドカップで日本チームの不甲斐なさにがっかりしたひとは多いだろう。私もそのひとりである。
私はサッカーは素人だ。でも、選ばれた世界の選手達の戦いぶりを見て、そのレベルの高さくらいは分る。
大会前の実力からして16に入れるかどうかぎりぎりの感があった。それなのに何をどう勘違いしたのか主力選手が優勝を狙うと豪語していた。もちろん自分自身を鼓舞するのは競争社会では当然のことではある。だが、モノには限度がある。
いつからだろうスポーツ選手がオリンピックや大きな大会を前に大言壮語するのが当たり前のようになったのは。
確かに有言実行はカッコいい。あそこにホームランを打つと指さしてその通りスタンドにぶち込んだ野球選手がいた。ほれぼれとする。でも、有言不実行はかぎりなくみっともないことも事実だ。いや、みっともないという評語では追いつかない。オレがオレがと誰もが、できそうもないことをいけしゃあしゃあと口にするようになると、スポーツってそんなにちゃちなものなのか、という気持ちになる。
勝つと宣言して、勝てなかったら選手をやめるくらいな覚悟があるのならよい。それはそれでいさぎよさを感じる。
だが、ホラは安っぽくて不愉快だ。責任をとる気はさらさらないからである。少なくても今回のワールドカップに臨んだある選手のことばはホラでしかなかった。
ビッグマウスというらしいが、要するにホラである。ホラのワナは麻薬と似て、どんどんエスカレートすることだ。
そもそも有言実行という熟語は不言実行のもじりでしかない。
そろそろ不言実行の謙虚さがどれくらい強靱な精神力を必要とするか考えてもいい頃ではないだろうか。